質問:うちは禅宗と聞いているけど、どんな宗派なの?
A:「座禅(ざぜん)」から真実の自己や仏性(ぶっしょう)に目覚め、お釈迦様の悟りの境地を体得しようとする宗派です。
この「禅宗」には曹洞宗(そうとうしゅう)、臨済宗(りんざいしゅう)、黄檗宗(おうばくしゅう)という3つの宗派を指します。
ご自身のお家の宗派がこの3つの内のどの宗派なのか。調べておくと良いでしょう。
かつて中国が「宋」という国だった頃、「禅宗五家」と呼ばれる宗派がありました。
潙仰宗(いぎょうしゅう)、雲門宗(うんもんしゅう)、法眼宗(ほうげんしゅう)、そして臨済宗に曹洞宗です。
栄西(1141~1215)がまず臨済宗の教えを日本に持ち帰り、開祖となりました。
臨済宗では修行に基づいた「公案(こうあん)」という課題を考えることが座禅の内容になっています。
また14の本山(妙心寺、建仁寺、東福寺、南禅寺、天龍寺、相国寺、大徳寺、建長寺、円覚寺、向嶽寺、国泰寺、方広寺、永源寺、仏通寺)を持ち、
本山ごとに宗派を形成しています。教義内容は同じですが、このどこかの本山で僧侶は修行を行います。

建仁寺

永源寺

建長寺

大徳寺

天龍寺

南禅寺
曹洞宗には「高祖(こうそ)」と呼ばれる道元(1200~1252)と、「太祖(たいそ)」と呼ばれる蛍山紹瑾(けいざんじょうきん・1268~1325)がいらっしゃいます。
道元(1200~1252)は天台宗の本山である比叡山で学び、
その後、栄西の下でも学んだ後、宋へ渡り、日本へ曹洞宗を持ち帰り、
永平寺を建立しました。
蛍山禅師は能登に總持寺を建立。禅を大衆化させました。この総持寺は明治時代に火事に遭い、現在は横浜に移っています。
曹洞宗はこの永平寺と總持寺を同格の両大本山としています。
臨済宗のように「公案」はありませんが、「座禅」からお釈迦様の心を学びます。

永平寺

總持寺
更に江戸時代、隠元隆琦(いんげんりゅうき・1592~1673)が中国(当時は「明」)で臨済宗を学び、
京都で黄檗山万福寺(おうばくざんまんぷくじ)を建立、黄檗宗(おうばくしゅう)を開きました。

万福寺
日本に伝わった宗派で禅宗と呼ばれる宗派には他に普化宗(ふけしゅう)があります。
時代劇で出てくる、尺八を吹く「虚無僧・こむそう」はこの普化宗の僧侶の姿です。
ただ、江戸幕府との繋がりが強く「隠密」としての役割をもっていたこと、
身分制度を重んじる傾向があったことから明治政府より解体されました。
「座禅」を中心に修行をするのは同じですが、詳細は異なります。
まず臨済宗なのか曹洞宗なのか黄檗宗なのかをご確認下さい。
そして、ご自身の菩提寺様にその教えを聞いてみて下さい。
それを知ることで、ご先祖様を弔う意味も変わってくるのではないでしょうか。
※たまに真言宗や浄土宗の方が勘違いされ「禅宗」と思われている方があります。良い機会ですので、ご自身の宗派をご確認下さい。



