質問:お通夜に行ったら、緑の葉が飾ってありました。
隣のお婆さんにお聞きしたら「しきび」って言っていましたけど、あれはどういう意味ですか?
A:漢字では『樒(もしくは「梻」)』と書きます。読み方は「しきみ」です。調べた結果を書きましたのでご覧下さい。
この「樒(しきみ)」は全国的ななまりで「しきび」と呼ばれています。
この樒は「お供えもの」のルーツにもなっています。
起源はお釈迦様が亡くなったときのお話し「涅槃」「入滅」にさかのぼります。
『最期を迎えようとしたお釈迦様は、共に修行の旅をしている弟子の阿難(アーナンダ)に2本のサーラ樹の間に北を枕にした寝床を作ってもらうように依頼しました。
お釈迦様はそこへ横たわると修行の先である西を見ながら亡くなりました(入滅)。すると2本のサーラ樹が真っ白になり、そこに真っ白な花を咲かせました。
辺り一面真っ白になってしまったお釈迦様に対し、何かしてあげられないかと考えた阿難は、遠くの山へ行き枝についた緑の葉をお釈迦様に手向けました。』
このお話からお釈迦様が亡くなるときにすべての煩悩から解き放たれたと考えられています。
亡くなった方をお釈迦様が亡くなった時と同じ状況にすることが故人様にとっての最高の敬意であるとされています。
この「緑の葉をお釈迦様に手向けた」というところから、緑の葉を手向けることが、お供え物のルーツとされています。
ただ、ここまでは「緑の葉」ということであって「樒(しきみ)」と限定はされていません。
その昔、日本では土葬(ご遺体を土に埋めて葬ること)が一般的でした。
戦国時代よりも以前に、日本ではあちこちで奇妙な事件が起きます。
『葬られたご遺体が掘り返され、食い荒らされる』というものです。
「遺体を食い荒らされるなんて魔物のしわざに違いない」
そんな話しがあちこちでされていたそうです。
当時はすでに故人に対し、緑色の葉を手向ける風習はあったそうですが、
どうも「樒」の葉を手向けると、魔物は寄り付かないぞというお話しになり、
樒は「魔よけ」と呼ばれるようになったそうです。
「魔物」とは野生の動物たちのことだったようです。実は樒は動物たちが避ける効果があります。
「樒」は香木(こうぼく)とも呼ばれ、きつい香りがします。嗅覚に優れたイヌ科の動物は近づこうとしません。
また、この「樒」には強い毒性があります。食べれば害を生じるため避ける傾向があるそうです。
このような流れから、お葬式において「樒」は「魔よけ」そして尊いお供え物として扱われるようになっています。

※日蓮正宗や創価学会はこの樒のみを飾りお葬式を執り行ってきた歴史がありますが、
仏教であれば共通して大事なものとして取り扱われています。



