質問:仏壇の本尊の脇にみえる方々は一体誰ですか?
A:「祖師」を祀ります。詳細を書きましたので宜しければお読みください。
この祖師は大きく3つに分けられるそうです。
菩薩(その宗派を開いた方)、
明王(布教などに一番尽力された方、もしくは本尊と共に人々の救済をされる方)、
天部(信仰している方々を仏敵から守護する方)です。
ちなみに本尊が仏像の場合はこの両脇の仏像、
もしくは掛け軸を「脇侍(わきじ・きょうじ)」、
本尊が掛け軸の場合は「脇掛(わきがけ)」と呼ぶそうです
(本尊が掛け軸なら両脇も掛け軸だそうです)。
宗派による「脇侍」「脇掛」を見ていきましょう。
〇天台宗
(向かって)
左脇掛:「伝教大師」…「開祖」:最澄のこと。
本尊: 「阿弥陀如来」や「釈迦如来」、「観世音菩薩」、「薬師如来」など。
右脇掛:「天台大師」…「中国のお釈迦様」と言われた智顗(ちぎ)禅師のこと。
この方が打ち立てた「天台教学」
(法華経を中心とした理想と実践すべき内容を説いた哲学)を最澄が知り、
感銘を受け、中国に渡り修行、天台宗を開くことになったそうです。
〇真言宗
(向かって)
左脇掛:「不動明王」…本尊である「大日如来」の化身とも言われる「五大明王」の一員。
本尊: 「大日如来」
右脇掛:「弘法大師」…「開祖」:空海のこと。
〇曹洞宗
(向かって)
左脇掛:「常済大師」…布教に多大なる貢献をした「瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)」のこと。
一般には「瑩山禅師」と呼ばれ、「太祖大師」とも呼ばれる。
本尊: 「釈迦如来」
右脇掛:「承陽大師」…「開祖」:道元のこと。「高祖大師」とも言う。
〇臨済宗
※「臨済宗十四派」と言われ、その派により脇掛は変わるようです。
菩提寺様に脇掛に何を祀れば良いかをお尋ね下さい。
(向かって)
左脇掛:「普賢菩薩」か「観世音菩薩」が多い。
本尊: 「釈迦如来」
右脇掛:「文殊菩薩」か「達磨大師(だるまだいし:中国禅宗の祖)」が多い。
〇その他の禅宗(臨済宗妙心寺派・曹洞宗以外の禅宗)
(向かって)
左脇掛:「承陽大師」
本尊: 「釈迦如来」(座しているもの)
右脇掛:「達磨大師」
〇日蓮宗
(向かって)
左脇掛:「大黒天」…ヒンドゥー教の破壊と再生を司る神であるシヴァ神の化身「マハーカーラ」のこと。
七福神の一人。「マハー」は「偉大」、「カーラ」は「時」や「暗黒」を意味し、それを司るとして「大黒天」と呼ばれる。
本尊: 「曼荼羅」
右脇掛:「鬼子母神」…法華経を信ずる者を救うことを使命とする神
〇浄土宗
(向かって)
左脇掛:「法然上人」…「開祖」
本尊: 「阿弥陀如来」
右脇掛:「善導大師」…中国浄土宗の僧で、「称名念仏」(念仏を唱えれば皆救われるという考え方)を確立した。
〇浄土真宗本願寺派(西)
(向かって)
左脇掛:「蓮如上人」…「浄土真宗中興の祖」。室町時代に衰退していった教団を復興させた。
本尊:「阿弥陀如来」
右脇掛:「親鸞聖人」…「開祖」
〇真宗大谷派(東)
(向かって)
左脇掛:「九字名号」…「南無不可思議光如来(なむふかしぎこうにょらい)」(どのように言葉を尽くしても捉え切れない智慧のはたらきという意味)
本尊:「阿弥陀如来」
右脇掛:「十字名号」…「帰命尽十方無碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)」(あらゆる場所で、何物にも遮られない仏の発する智慧や救済力の光という意味)
※「九字名号」も「十字名号」も阿弥陀如来のことを表しているのだそうです。
「脇侍」「脇掛」を調べると、その宗派の歴史や考え方がみえてきます。
それが分かってくると、手を合わせた時に意味合いが生まれてきますね。




