Q:何故亡くなったら北枕に寝かすのですか?
A:お釈迦様が入滅された(ニュウメツ:お亡くなりになった)時と同じ状況(涅槃:ネハン)にすることが、故人への最高の敬意とされているからです。
こういう仏像をご覧になったことはありませんか?

「頭北面西右脇臥(頭を北に、顔は西に、右脇を下にしています)」
「涅槃像(ネハンゾウ)」と言います。「涅槃」とは、お釈迦様がお亡くなりになったときの境地、もしくは生死を超越した悟りの境地だとも言われています。
この時の状況はこのように伝えられています。
『最期を迎えようとしたお釈迦様は、共に修行の旅をしている弟子の阿難(アーナンダ)に4本のサーラ樹(双樹なので幹は8本)の間に北を枕にした寝床を作ってもらうように依頼しました。お釈迦様はそこへ横たわると修行の先である西を見ながら亡くなりました(入滅)。するとそのうちの2本のサーラ樹が真っ白になり、そこに真っ白な花を咲かせました。辺り一面真っ白になってしまったお釈迦様に対し、何かしてあげられないかと考えた阿難は、遠くの山へ行き枝についた緑の葉をお釈迦様に手向けました。』
亡くなった方にこのお釈迦様が亡くなられたときと同じ状況でご安置することが一番敬意を払った対応であると言われています。悟りの境地といわれていますからね。それで亡くなった方を「北枕」に寝かせるのだそうです。
日本では通常、北枕にして寝ることは良くないと言われていますが、インドでは悟りを開こうとする僧侶が、睡眠をとる際に枕を北に向けることは決して珍しい光景ではないそうです。
「頭を北(もしくは西)に向けること」
「祭壇に四華(シカ:「紙華」とも「死華」と書くこともあるそうです)を飾ること」
「緑の葉(現在では『樒(シキミ)』が主流)を故人に供えること」など、
お釈迦様が亡くなったときの様子に沿った仏教の習わしの中で、一番皆様が身近に感じる内容ではないでしょうか?



